彼杵式鮎傾斜板 Ver6 を串川に設置
1.日時:2017年3月25日
2.場所:串川
3.目的:鮎遡上傾斜板取付け
4.参加者:池田氏、中島氏親子、和田氏、荒巻氏、吉永氏、高月氏、林氏、五十嵐
5:協力:田中建設(土嚢の作成と提供をしていただきました)。
彼杵おもしろ河川団のメンバーが集まり、設置作業が行われました。
《背景》
平成9年に河川法が改正しました。
河川法では、河川を管理する目的として、これまでの「治水・利水」のほか「川の環境の整備と保全」も定義されましたが、河川を取り巻く環境は過去と現在とでは水量、水流、水位は大きく異なり、生き物にとって好ましくないと推考されます。
その一例が、高さが1m近くの堰。ゲリラ豪雨や干ばつにより水が多すぎても少なすぎても小さな遡上生物は遡上出来ず、治水・利水の為の堰が、遡上生物の壁として立ちはだかっていることが確認できました。
《傾斜版について》
この傾斜板は、利水板付属傾斜装置という名称で農業用水の利水の為の利水板(角おとし)に取り付ける装置として、特許庁に登録しております。
実験装置を製作し、彼杵川で遡上魚を用いて実証実験を3年間に渡り行い、効果を検証しながら多くの問題点を解決してきました。
《串川に取付け施工するこれまでの流れ》
2年前の夏筑波大学チームが彼杵で合宿を行う際に、彼杵の川の中でも一番川幅が小さく、例えると、「溝」のような串川に注目しました。その串川は30~40年前はアユ等の遡上魚が「列をなして遡上していた」との地元の方々の情報を聞いたのがきっかけとなりました。
そこで、平成28年の春に、彼杵川での実証実験の際に、来町して頂いていましたイデア㈱チーム、国交省中島氏に調査を依頼したところ、”堰がある手前までアユ等の魚が遡上している”という事実が確認できました。
また平成28年の夏、筑波大学合宿の際に、ある地点を境に「遡上あり」その上には「遡上なし」、という事実を再度検証しました。
《彼杵式鮎傾斜板 Ver6 取り付け施工作業》
彼杵おもしろ河川団のメンバーが集まり、設置作業が行われました。
当日朝、彼杵式鮎傾斜板が運び込まれ、設置の打ち合わせが行われます。
ここに魚道が設置されました。アンカーボルト12mmで4箇所固定します。大雨の時は取り外しができます。
無事設置完了しました。遠くから参加の皆様、お疲れさまでした。
《今後の展開について》
今回串川の実証実験で遡上魚のアシスト効果を明確に、数字で検証し、また今回の手法、過程、制作法、固定法などをHPにて公開し、大村湾全域の豊かな海の展開に役立ててもらえばと考えています。
串川の魚道設置の準備におきまして、次の図面の通り準備を進めております。 この河川は堰に傾斜がついているため、つくば大学に傾斜角を測定していただき修正を加えたものです。
※彼杵式鮎傾斜板 Ver6 の設置については、県北振興局河川課において、設置許可を事前に頂いています。