長崎県東彼杵町「森林保全活動」ボランティア参加報告
このたびは、長崎県東彼杵町「森林保全活動」ボランティアに参加させていただき、誠にありがとうございました。彼杵川の流域治水を中心とした保全活動や薪販売ビジネスのサイクルなど、地域密着型の取り組みを肌で感じることができ、大変勉強になりました。
流域治水への取り組みについては、川に泥が流れ込む問題から山に目を向けた、そういった小さな疑問や違和感から始まった活動が、数珠繋ぎのようにさまざまな要素や人々を結びつけ、さらに地域の想いまでも繋がっていることを実感しました。このような「つながり」の力を、実際に見て、触れて、感じさせていただいた経験は私にとって非常に貴重なものとなりました。


1日目に伺った竹林では、環境保全に対する日本の意識の薄さという現状や山と住宅が密接していることで考えられる土砂崩れ等の危険性、今後私たちがどう向き合っていくべきかなど、「竹林」という一つのキーワードでありながらも環境保全をさまざまな観点から考えるきっかけとなりました。この知識の基盤があったからこそ2日目の実際の作業でも、竹の特性や伐採をすることの危険性などを深く理解した上で作業をすることができました。


菊本さんの薪販売の話は目から鱗でした。薪の保存場所は学校跡地など土地代を最低限に抑えていたり、薪の乾燥方法も自然エネルギーのみで乾燥させることで環境負荷を低減していたり、端材まで回収・販売していく細かい工夫は非常に興味深く、実際にお話を聞かなければわかりませんでした。
また、薪サウナの計画は、薪販売のビジネスをより周知させることはもちろんのこと、東彼杵の海と山が近いという特徴も活かした、地産地消、地域活性化の取り組みにつながると感じました。
薪は高価でありながら、一方で業者は廃材の処理に困っているという現状。この状況をwin-winの関係に変え、さらに環境にも配慮したビジネスモデルを確立していることに感銘を受けました。


今回のボランティアを通じて、環境保全の本質は継続することであり、このことは時代や場所を超えて普遍的な価値を持つと感じました。一時の熱意ではなく、地道な努力を積み重ね、私たち一人ひとりが、日々の生活の中でできることから始め、環境への意識を常に持ち続けることが大切です。そして、その小さな行動が、やがて大きな変化を生み出す力になることと思います。
つくばに帰ってきてから、ゼミで今回の活動を共有し、つくばでできることは何か、みんなで考えています。一時的なものではなく、継続的に考えること実践することを繰り返していきたいです。
池田さんの「mistake is future」という言葉がとても心に響きました。失敗が未来を作るという考え方は、これから新しいことに挑戦する私にとって、大切な指針となると感じています。東彼杵の街や自然、そしてそこに集う人々の温かさがとても好きになりました。ぜひまた訪れたいです。
このたびの貴重な経験を通じ、たくさんの学びと気づきをいただいたこと、心より感謝申し上げます。
筑波大学 佐々木倫

私も今回、この活動に参加させていただきました。最近のホットワードである「流域治水」。流域治水といいながら、実際は、川にばかり目を向けて、仕事をするうちの一人でしたが、今回、森の中に入らせてもらい、森林の専門家の方の話を聞き、森の木々を間近にみて、木を切るという経験をさせていただき、ほんの一歩ではありますが、流域治水として、「森」を体感した一日でした。参加させていただき、ありがとうございました。
佐々木さんが、「環境保全の本質は継続すること」と記載されています。良好な環境の保全・創出、と言っても、時間を必要とするものであり、成果を実感することはなかなか難しいところがあります。でも「継続する」こと、を着実に行うことで、変わらずにいたもの(むしろ悪化したかもしれない)が変わっていく、ということは保障されると思います。私も引き続き、団長や地域の方々の活力、そして、若い人たちのエネルギーを感じながら、未来に残していくものを、悪化させない、改善方向に向かう一助となる、取り組みを行っていきたいと思います。