彼杵川第三魚道のメンテナンス

 9月8日(日)に彼杵川第三魚道のメンテナンスを行いました.

 池田団長,荒巻氏,荒巻大輔君,荒巻耕二君,五十嵐氏,森氏,鬼丸の7名で作業を行いました.まだまだ厳しい暑さが続いておりますが,熱中症に気を付けて水分補給をこまめにとりつつ作業を行いました.魚道のメンテナンス後は,竹林や休耕田ビオトープ,串川に設置してあるアユの傾斜版の見学を行いました.

1. 魚道の堆積物撤去および除草作業

 東彼杵町彼杵川の下流側から数えて3番目の魚道(通称;第三の魚道)のメンテナンスを行いました.

 上流から流れてきた砂礫が魚道内に堆積し,その礫の間にたくさんのヨシが根を張っていました.これらの堆積物やヨシを可能な限り魚道内から取り除き,水みちを確保しました.(写真2・3)堆積した砂礫はそれほど深くなかったのですが,ヨシが礫の隙間の形に合わせてびっしりと根を張っており,取り除くのに一苦労でした.子どもたちも頑張ってくれました!

 この魚道は180°折り返しのある2段構造であり,特に折り返し部に土砂が堆積していました。河川では、出水時には土砂を含む水が流れてきます。魚道は生きものの移動を助けてくれる有用な構造物ですが、定期的な維持管理があってこそ効果が発揮できるのですね.

2. 竹林の見学

 池田団長自宅近くの竹林にて竹林の見学を行い,竹林の維持管理についてのお話を池田団長からお聞きしました.竹林を放置してしまうと斜面災害のリスクが上がるという大きな問題がありますが,実際に維持管理することがどれだけ大変なのかを少しではありますがイメージすることができました.また,伐採した竹の使い道も重要な点であり,使い道がないとお金も生まれないため結局管理する人もいなくなってしまいます.伐採した竹の利用方法についても考えていく必要があると感じました.

3. 休耕田ビオトープの見学

 ここは、過去にドジョウの養殖を試行した休耕田です。現在は休耕田に水をはって、ビオトープとして周辺の生きものが利用できるようにしています。今回はドジョウの採集はしておらず,見学を行いました.田んぼをよく観察するもドジョウの姿は見られませんでした.泥の中深くに潜っているとのことですが,土がとても硬そうでした.休耕田を利用すれば,初期費用や手間がかからないと言われていますが,田んぼの土は定期的に耕す必要がありそうです.

4. 串川のアユの傾斜版の見学

2024年8月には台風10号での暴風・豪雨に見舞われましたが,令和2年に設置された木造の傾斜版は現在も損傷せずに残っています.木でできているため低コストで,流れてしまった際の環境負荷も小さいなど様々な利点のある魚道です.今回はアユの姿を見ることができませんでしたが,傾斜版の下流の岩にアユの食み跡のようなものを発見しました.

 本日は貴重なお話をたくさん聞くことができ,学ぶことの多い一日でした.生き物の保全活動にしても竹林の維持管理にしても絶対に誰かがやらなくてはならないことです.しかし,ただのエゴではなく,その活動の結果として地域の方たちが恩恵を受ける必要があり,活動した当人にも利益がない場合は続けていくことが困難であることを実感しました.まだまだ勉強不足なので今後もいろいろなことを学んでいきたいと思います.
ボランティアにお集まりの皆様ありがとうございました!

投稿:鬼丸颯人氏
校正:荒巻陽介氏

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