彼杵小学校学校林からの間伐材運び出し作業

 ~町立図書館の薪ストーブ燃料として活用~

5月26日(土)、9時半から12時まで、県北グリーンクラブの宮川さんと加瀬川教育長を中心に、地元彼杵小学校の学校林から間伐材を運び出す作業を行いました。前日から天気の心配がありましたが、徐々に晴れ間も見えるようになり、無事に実施することができました。

昨年夏に九州北部豪雨により山崩れが起こり、大きな被害が生じるということがありました。そのニュースに触れ、私たちは、「川や海、そこで暮らす生き物たちを守るためには、川や海とつながっている森林に目を向けなければいけないのだ」という当たり前のことを再認識させられ、「森林の源流域改善」という新たな活動をスタートさせました。
活動を始めるにあたり、リーダーを中心に議論を重ね、地元の小学校が有する学校林にスポットが当たりました。この学校林は、小学5年生の環境学習(山の学校)の教材として使われていたものでしたが、針葉樹が多く手入れが不十分な状態でした。そこで、この学校林を、雨水を蓄え水量と水質を安定させることができる豊かな森にするために、杉の木を間伐し、そこにドングリの苗を植えるというプロジェクトを展開することになりました。

九州北部豪雨の後、大雨時の減災のための取り組みとして、人工林を広葉樹林に切り替える自治体にも注目が集まりましたが、九州7県は森林環境税を導入して様々な事業を展開しています。しかし、間伐材をどうするのかという具体的な解決策はなかなか示されません。建材とするには、きちんと手入れされた木材でないと難しい。木質バイオマス発電の施設は規模が大きく自治体で取り入れることは難しい。木質ペレットの工場や設備を整えるにもコストがかかりすぎて難しい。

ところが、当町の図書館には、5年前に大気に優しい二次燃焼式の薪ストーブが設置されており、間伐材をその燃料として使うことができるのです。大きな投資も必要のないシンプルな方法ですが、一つの小さな町の中でしっかり完結する「バイオマス」です。

さて、活動当日は小雨の中、学校林へと入り、かなり険しい山道を滑らないように気をつけながら登りました。

前日までに、池田団長、宮川さんを初めとする森活動の中心メンバーが、木を運びやすい長さに切ってくださっていたため、それをトラックが入る場所まで運び下す作業を全員で行いました。

乾燥前の木材ということもあり、1本でもかなり重く大変でしたが、リレー方式で協力しながら頑張りました。運び方にはコツがあるようで、ひょいと軽々運ぶ呉屋教授からアドバイスを頂きましたが、そう簡単にはいきません。足が滑って尻もちをついたり、手が滑って木を落としそうになったりと、今回の活動だけでは習得が難しい作業でした。

運び出しを終えると、佐世保エコプラザの福田さんご指導のもと、間伐した所にドングリの苗の植樹を試験的に行いました。実は、今回試験的に植樹したドングリの苗は、地元のやまだこども園の子ども達・先生方が大切に育てていたものです。

将来的には、地元の子ども達と一緒にこのような活動を行えるよう、今後色々と計画していきたいと考えています。当日は、やまだこども園の深草先生、松尾先生も視察を兼ねてご参加くださいました。子ども達が育てたドングリの苗が、太陽の光を浴びながらすくすくと大きくなりますように!!!

今回運び出した間伐材は、乾燥させるため町図書館まで運び、全員でトラックから降ろして無事完結。私たちは、この小さな「バイオマス事業」を全国に発信できるモデルとして東彼杵町で発展させていきたいと考えています。今後の展開にご期待ください!

雨の中ご参加くださった皆様、ありがとうございました。活動に参加したメンバーの皆さん、お疲れさまでした。

 

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