東彼杵町立彼杵小学校 総合的な学習「私たちの川と海」

1.はじめに
 小学校の学習には、総合的な学習という教科があります。この教科の目標の一つに、自ら課題を見つけ、自ら考え、主体的に判断する力を身に付けるというものがあります。また、学習内容は、「国際理解」「情報」「環境」「福祉・健康」などの中から彼杵小学校の子どもたちが体験を通して探求できる領域を学校が設定します。
 彼杵小学校では、身近な「彼杵川」に目を向けさせ、そこから課題を考えさせ、学習を進めています。

2.川との出会い~川探検~
 彼杵川のことについてふれ、どのようなことを調べたいか子どもたちに投げかけると「彼杵川には、どのような生き物がいるのか」「彼杵川にはどのくらいゴミがあるのだろう」という2つの疑問がでてきました。そこで、この問題を解決するために彼杵川に探検に行きました。



 はじめは、川の中に入るのが初めての子も多く、手探りの探検でしたが、清流会の方々のお話を聞いたり、実際に活動したりするうちに、楽しみながら学習を進めていくことができました。
 今回の川探検で、彼杵川には様々な生き物がいること彼杵川はきれいではないかと考えられることの2点をつかむことができました。

4年担任 糸山 奈々美

彼杵小学校の学びについて

彼杵小学校 校長 藤原 正

 『今年3月、音琴小学校の閉校式で、高校生が、「閉校は残念です。自分の子供も音琴小に通わせたかった。でもいつか僕らが復活させます。」と話しました。全員の誕生日を祝いあい、落し物は、記名がなくても誰もが分かる。そんな安心感あふれる少人数教育のよさがある一方、社会は大きく変化し続けています。これまでの当たり前が、決してそうではなく、何がいつ起こっても不思議ではい。そんな中、大楠、音琴、彼杵、各地域の皆さんのこの学校統合への願いは、決して経済的なことではなく、一人一人の子供たちが、これからの地域社会を動かすエンジンになるために、厳しい挑戦の時代を乗り越え、高い志や意欲を持つ自立した人間として成長させることでした。これを全職員が胸に刻み、「そのぎごおりの そのぎまち その名を負いし学び舎に」校歌の歌詞にあるよう、地域を愛し、そして将来「地図に彼杵を指さして、我らはここに育ちぬと世界に誇る」そんな彼杵っ子の育成を目指すべく日々の教育に当たっています。皆様方に、これまでの各学校教育へのご理解ご協力への感謝を述べますとともに、これからはオール彼杵として全ての子供たちに温かい眼差しをかけていただきますようお願いします。』

 本校は今年4月から、町内2校と統合し、「新・彼杵小」として出発した。統合記念式典での校長の言葉である。統合により、児童数の増加はさほどでもないものの、校区の広さは一挙に3倍、地域の方々の思いもそれに比例する。新彼杵小の学校経営はその思いに応えるものでなければならない。

★総合的な学習で

 それぞれの学年で地域の方の協力や指導をいただいているが、特に「彼杵川に鮎を」「スナメリ遊ぶ大村湾に」と彼杵川浄化に取り組む地域の方々とともに学ぶ四年生の学習を紹介する。「だいすき!彼杵川」のテーマのもと、地域の「彼杵川おもしろ河川団」の方々との学習である。

6月 遠賀川水辺館での学習

 オリエンテーション。九州有数の長さを持つ遠賀川、はるか昔から沿岸の人々の暮らしを支え、愛されてきた遠賀川、水生生物や川での遊び方やその危険性などを、身をもって学んだ。これからの学習のいい参考にできた。なお、この学習に関わっての交通費は、地域の方々の斡旋により、町の事業として捻出していただいた。

10月 彼杵川の鮎の学習

 地域、国交省、大学などたくさんの機関の皆様と行った。「鮎の一生」の講話を聞き、川に入り産卵場を作る。たまたま一般の地域の方がとった鰻を見せてもらい、「うわーヌルヌルする~」触らせてもらう経験も。鮎を実際に捕まえる目的も果たせた。「彼杵川が好きで、川に関わることが楽しくてしようがない」という地域の方々とともに学ぶ子供たち、いい学習をさせてもらっている。同じく十月後半には、婦人会の皆様とともにEM団子を作り、彼杵川へ。その後の水生生物調査では、彼杵川は、「きれいな川に住む生物がみられる」結果であった。

11月 学習発表

 昨年11月、第15回九州「川」のワークショップin諫早「伝えて・つなぐ!みんなのよか川」で、「だいすき!彼杵川」を4年生の代表として10名の子が発表。「~僕は彼杵川に住む鮎太郎、今度妻の鮎美が産卵しました。紹介します~」明るく元気のいい声に、会場の誰もが思わず聴き入る。限られた発表時間の中で、要領よくユーモアを交えながらの発表の結果は、何と大人も含めた五十三団体の中でグランプリ。(参加者全員の投票によるもの)『九州の川の活動の中で「一番良かった!」ということで、これは本当に凄いことですよ』とお世話になっている国交省の方から褒めていただいた。その後も県内外の子供たちと、名刺交換などの交流もでき、ちょっぴり疲れたけど、とてもいい経験ができた。

 その他、3年生は特産の「茶」、5年生は「米」、6年生は「歴史、山」、それぞれに地域の方々とともに学びを深めている。

 「総合的な学習が好き」と答えた児童は六割を超え、全国平均を大きく上回る。課題を追求していく過程を通し、これからも「生きる力」の学力を身に付けさせていく。

彼杵小学校4年総合学習内容

p8201328b 彼杵おもしろ河川団では、毎年、彼杵小学校の4年生を対象にアユの遡上に関する学習会を開催しています。

161109_00 国土交通省の中島氏が子どもたちのためにレジュメを作成し、アユの一生や習性を伝えています。

 自然に対する関心をたかめるための啓蒙活動のひとつです。

 


【平成28年度】

 

産卵場のつくり方

 アユが産卵しやすいよう2mm四方程度の場所を決めて、大きな石を取り除き、10~20cm程度の石と砂利が混じっている河床を作りました。