鮎の遡上実験に参加して

 私たちは、「幼児期の自然体験」をテーマに卒業課題研究に取り組んでおり、特に、川を生かしながら子どもたちとどのようにかかわることができるのかを探求しています。今回は、夏に実施予定の「川遊び」イベントについて現場を見ながら考え、企画のヒントを得られたらと思い活動に参加させていただきました。
 午前中、彼杵川の視察を行い、子どもたちの川遊びをイメージしながら、安全な場所や川の様子を確認しました。また、彼杵川に生息する生き物について、河川団の皆さんに詳しくお聞きすることができました。この日は、あいにくのお天気で水かさも増していましたが、天候によって気を付けなければならないことも変わるため、改めて安全に活動するためには何が必要なのかを考える機会となりました。

 午後は、串川で行われた、鮎の遡上実験に参加させていただきました。私たちは、鮎の遡上実験の準備をするグループと、鮎のハミ跡を調査するグループに分かれて作業しました。
 鮎のハミ跡調査は、傾斜板が設置してある上流の川に入って行いました。ハミ跡とは、鮎が川底の岩石についたケイ藻類を食い取った跡のことで、手のひらより大きめのツルツルとした石に跡がついていることが多いと教えて頂きました。実際のハミ跡を見せてもらうと、タラコのような形をした黒っぽい跡がついていました。私たちも実際に川に入り探してみましたが、今回の調査では、ハミ跡を見つけることができませんでした。
 

 ハミ跡は見つけることができませんでしたが、「なんか動いている!」「何これ?」と不思議なものを発見!川と生き物のプロ、荒巻さんにお尋ねすると、ヨシノボリの孵化する前の卵だということを教えていただきました。初めて見た私たちは大興奮。これから一緒に活動する子どもたちと、このような感動や興奮を共に味わえるといいな・・・そんな気持ちになりました。
 

 これから夏に向けて、子どもたちと楽しめるような川遊び〝わくわく どきどき ちびっこ川の探検団” の企画を筑波大学の皆さんと協力しながら考えていきたいと思います。

西九州大学短期大学部 江口、輪内

彼杵小学校学校林からの間伐材運び出し作業

 ~町立図書館の薪ストーブ燃料として活用~

5月26日(土)、9時半から12時まで、県北グリーンクラブの宮川さんと加瀬川教育長を中心に、地元彼杵小学校の学校林から間伐材を運び出す作業を行いました。前日から天気の心配がありましたが、徐々に晴れ間も見えるようになり、無事に実施することができました。

昨年夏に九州北部豪雨により山崩れが起こり、大きな被害が生じるということがありました。そのニュースに触れ、私たちは、「川や海、そこで暮らす生き物たちを守るためには、川や海とつながっている森林に目を向けなければいけないのだ」という当たり前のことを再認識させられ、「森林の源流域改善」という新たな活動をスタートさせました。
活動を始めるにあたり、リーダーを中心に議論を重ね、地元の小学校が有する学校林にスポットが当たりました。この学校林は、小学5年生の環境学習(山の学校)の教材として使われていたものでしたが、針葉樹が多く手入れが不十分な状態でした。そこで、この学校林を、雨水を蓄え水量と水質を安定させることができる豊かな森にするために、杉の木を間伐し、そこにドングリの苗を植えるというプロジェクトを展開することになりました。

九州北部豪雨の後、大雨時の減災のための取り組みとして、人工林を広葉樹林に切り替える自治体にも注目が集まりましたが、九州7県は森林環境税を導入して様々な事業を展開しています。しかし、間伐材をどうするのかという具体的な解決策はなかなか示されません。建材とするには、きちんと手入れされた木材でないと難しい。木質バイオマス発電の施設は規模が大きく自治体で取り入れることは難しい。木質ペレットの工場や設備を整えるにもコストがかかりすぎて難しい。

ところが、当町の図書館には、5年前に大気に優しい二次燃焼式の薪ストーブが設置されており、間伐材をその燃料として使うことができるのです。大きな投資も必要のないシンプルな方法ですが、一つの小さな町の中でしっかり完結する「バイオマス」です。

さて、活動当日は小雨の中、学校林へと入り、かなり険しい山道を滑らないように気をつけながら登りました。

前日までに、池田団長、宮川さんを初めとする森活動の中心メンバーが、木を運びやすい長さに切ってくださっていたため、それをトラックが入る場所まで運び下す作業を全員で行いました。

乾燥前の木材ということもあり、1本でもかなり重く大変でしたが、リレー方式で協力しながら頑張りました。運び方にはコツがあるようで、ひょいと軽々運ぶ呉屋教授からアドバイスを頂きましたが、そう簡単にはいきません。足が滑って尻もちをついたり、手が滑って木を落としそうになったりと、今回の活動だけでは習得が難しい作業でした。

運び出しを終えると、佐世保エコプラザの福田さんご指導のもと、間伐した所にドングリの苗の植樹を試験的に行いました。実は、今回試験的に植樹したドングリの苗は、地元のやまだこども園の子ども達・先生方が大切に育てていたものです。

将来的には、地元の子ども達と一緒にこのような活動を行えるよう、今後色々と計画していきたいと考えています。当日は、やまだこども園の深草先生、松尾先生も視察を兼ねてご参加くださいました。子ども達が育てたドングリの苗が、太陽の光を浴びながらすくすくと大きくなりますように!!!

今回運び出した間伐材は、乾燥させるため町図書館まで運び、全員でトラックから降ろして無事完結。私たちは、この小さな「バイオマス事業」を全国に発信できるモデルとして東彼杵町で発展させていきたいと考えています。今後の展開にご期待ください!

雨の中ご参加くださった皆様、ありがとうございました。活動に参加したメンバーの皆さん、お疲れさまでした。

 

東彼杵を元気にする活動のご案内

平成30年5月26日(土) 27日(日)次のとおり活動を実施いたします。お時間がございましたら是非ご参加ください。

彼杵小学校学校林を訪ねて

県北グリーンクラブ 宮川さんから、「10月14日(土)7時からの、彼杵小学校PTA・学校林整備作業に参加して下さい。」と依頼をされました。

それならばと、10月7日(土)に、筑波大学の白川先生・JRRN和田さん・宮川さん・私の4名で、「彼杵小学校学校林の事前調査に行こう。」ということになり、早朝より目的地を目指しましたが、草は生い茂り、道にも迷ったので、8合目までたどり着くのが精一杯でした。ということで、実は今回は,2度目のチャレンジでした。

10月14日(土)、朝出かけてみると、子どもたち、5・6年生の保護者の方々、地域の方々、教育長、校長先生をはじめとする彼杵小学校の先生方、長崎大学教育学部地域教育総合支援センター呉屋先生、県北グリーンクラブの宮川さんに渡邊さん、そして、私と総勢50名を超す大集団となりました。

私の頭の中には、学校林の間伐材を、どう効率よく運び出し、どういった活用をすればいいのか。また、県北グリーンクラブの間伐作業・運搬作業とどういった連携をすれば、効率が上がるのかというのもあったので、今回初めて現場に出かけてみて、全容が見えてきました。それと同時に、新しい課題も見えてきました。

宮川リーダー率いる県北グリ-ンクラブに、加瀬川教育長・当方の2名が新規加入決定。作業にかかる経費は森林ボランティア団体県北グリーンクラブより支出してもらうようお願いできないものかと考えています。

長崎大学呉屋先生よると、杉・檜の間伐の後に植える雑木は、学校林の生態に則したもの、それは、現在の学校林の杉・檜の間に育っている雑木、それこそが、今の学校林に根付くのではないか、私も、そう思います。

雑木の苗木の種類、そして、その間隔は、公的機関土木研究所の河川生態チーム林業専攻の大寄さんにも、同意していただいています。

以上のシステムが整い、まとまりすぎた人工林から、健全でなんでもかんでもゴチャゴチャ樹木が生えている天然林の「森林多様性モデル」となっていくのではないかと考えています。

モデル実験の成果、第1ステップまで4~5年かかるか、第2ステップまで10年かかるか、わかりませんが、それが確立できると、国も県も、地方自治体も、全国から、「やりましたね、よくぞ!」と拍手喝采をいただけるはずです。「ガンバレ、ガンバレ」とエールも自然とついてきます。どうぞお楽しみに。


PS 宮川さんが、図書館から植物図鑑を借りて、学校林の間に生えている植物の調査に行かれるとのことで、私にも協力要請がありました。10月7日(土)、10月14日(土)に続き、近々3回目の彼杵小学校林に同行していく予定です。

平成29年度 串川における傾斜板効果検証実験結果について(案)

平成29年9月18日

彼杵おもしろ河川団 団員 荒巻 陽介

1 はじめに

  • 本資料は、平成29年8月19日~20日に串川で実施した傾斜板(魚類の遡上を目的として開発中の簡易魚道)の効果検証実験の結果について整理したものです。本活動は、あくまで「楽しみながら」川に関する活動に取り組むものであり、本資料に使用するデータは必ずしも厳密な値ではありません(学術論文にできるほどの厳密な実験ではありませんという前提です。あまり真面目にやると、“おもしろ”ではなくなるので、ご了承ください。)。

2 実験概要(方法)

2.1 実施日

  • 平成29年8月19日~20日

2.2 場所

  • 串川最下流の堰(河口から約240mの固定堰(高さ約1.2m?))

※長崎県東彼杵郡東彼杵町平似田郷付近

2.3 方法

  • 堰に開発中の傾斜版を設置し、傾斜板下流に放流した魚類の遡上状況をビデオ撮影等により観察した。観察時間は、19日午前10時~20日午前9時とした。
  • 傾斜板の下流は、目合い約5mmのネットで囲い、放流した魚類が下流側へ逃避しないような閉鎖的環境とした。
  • 放流した魚類は全部で150個体程度であり、魚種はカワムツ、オイカワ、フナ類、アユとした。

    図1 傾斜板効果検証実験実施状況

    ※今回の実験は夏季であり、アユの遡上期には該当していない(供試魚に用いたアユは全長約20cmの成魚1個体のみであった)。



3 実験結果

本実験の結果を以下に示します。

  • 本実験期間中に、傾斜板を利用して堰上流まで遡上した魚類は確認されなかった
  • 撮影したビデオより、魚類の遡上状況(遡上高さ別の遡上頻度)について図2に整理した。
    ⇒魚類の遡上試行頻度(回数)は全部で99回であり、このうちカワムツ又はオイカワが98回、アユが1回であった。
    最高到達高さはオイカワ又はカワムツの70~80cmであった。アユの遡上高さは、15cmであった。
    ⇒遡上到達高さが60cmを超える場合は少なく、大部分が20~39cmまで遡上した。

図2 傾斜板を利用した魚類の遡上状況(遡上高さ別の頻度分布)

図3 傾斜板を利用した魚類の遡上状況(画像が小さくてすみません!)



4 これまでの成果(これまでの実験・活動で分かったこと)

魚道傾斜板について、本実験の結果及びこれまでの活動をとおして分かったことを以下に整理します(なんとなく、分かったような気がすることも含みます)。

【これまでの活動の成果】
① 魚道傾斜板は、小規模河川であれば出水期を含む一定期間設置すること
が可能である(串川で3 月~8 月まで設置実績あり)。
② 魚道傾斜板の運搬は軽トラック、設置は半日程度で可能であり、設置コ
ストは安価である。
③ 魚道傾斜板を利用してアユをはじめとした魚類を遡上させることが可能
である。現形状(平成29 年8 月時点)の傾斜板については、堰等の落
差が20~40cm 程度までであれば、十分機能を発揮することが期待でき
る(昨年度までの模型実験及び8 月の串川実験より)。
※40cm 以上の落差に対応する魚道傾斜板については、今後改良が必要

 

5 今後の課題(魚道傾斜板についての今後の取り組み)

「4.これまでの成果(これまでの実験・活動で分かったこと)」を踏まえ、今後の取り組み方針(案)について以降に示します。

① 小落差対応の傾斜板について

  • これまでの実験により、落差40cm程度までの堰については、現形状の傾斜板が効果的に機能することが明らかなりました。これを踏まえ、落差40cm程度の箇所において、現形状の傾斜板を用いた長期間(数か月)の実証実験を実施していくことが望ましいと考えられます。

    ※ただし、現形状の魚道傾斜板についても改良の余地はあるので、随時改良していきましょう。

② 大落差対応の傾斜板について

  • 今回の実験より、落差が40cm以上(特に70cm以上)の落差に対応する魚道傾斜板について課題がみえてきました。大落差(ここでは仮に100cmとしましょう)に対応する魚道傾斜板の改良案について、次頁に示します。

    ※なお改良案については、実験結果等に基づかない、荒巻の直観を大いに含みます。ご関係者のみなさまの間で協議して、形を決定したいと思います。

 

大落差対応魚道傾斜板改(案)

 

★条件

★軽トラックで運搬が可能であり、設置も容易であること。

★傾斜板の作成費用が安価であること(構造が複雑になりすぎないこと)

★少しの改良により、様々な河川(落差)で設置可能であること。

 

▲現形状傾斜板の問題点

△魚道傾斜板の表面を流下する水の水深が小さく(とても浅く)、魚類が十分な推進力を得ることができない。⇒魚は、鰭(ひれ)が全て水の中にないと、十分パワーを発揮できない。

△突進速度(トップスピード)で泳ぎ続けるには、傾斜の距離が長い。又は、流速が速すぎる(勾配がきつい)。

 

◎魚道傾斜板改善のポイント(問題点の裏返し)

◎魚道傾斜板の表面を流下する水の水深を大きくする(深くする)。

◎傾斜板の勾配を小さくする。

◎傾斜板の途中に休息場(又は、遡上に必要な助走をつけられる場)を設ける。

×設置時の強度確保が課題

縦断面(横から見た図)

平面図(真上から見た図)

串川の遡上実験の反省点と成果 及び今後の課題

 今回の反省点は、大潮時の満潮の水位が遡上板の位置にくるとの予想が間違っており、40㎝程水位が低かったことです。また5月の取り付け時から8月の実験までの現地レポートについて、責任分担を明確にしていなかったことです。これらの問題については次回からは改善してまいります。

実証された成果

 

  1. (D)の角度を筑波大学チームは105°、県の河川課は1:0.2との考えでしたが、105°が104°になっても1:0.2が1:0.19になっても(施行上のバラツキ)今回の堰の高さが100㎝程度あるので、少しの狂いでもすき間ができて、垂直面と底面のボルト固定ができません。そのため協力者である田中建設の方に、4㎝×2㎝×200㎝の木材で、成形モデルの冶具を作成していただき、ステンレスのボルト、ワッシャー、プレート等を考えて作っていただき、見事に密着させることができました。大雨でもびくともせず、取り付けおよび脱着もスムーズにでき、大きな成果でした。
  2. 公的コンサルタントの村岡様の参画により(F)頂上部分の形状の見直し、両サイドの遡上の字のフランジの形状の見直しのアドバイスをしていただきました。今後、情報交換しながらさらに改良していきます。河川改良コストの大幅コストダウンが目標です。
  3. 3月の串川での傾斜板取り付けから、4月25日の鮎はみ跡調査、8月19~20日の串川での遡上調査、多くの方々の参画により一歩ずつ前進させることができました。
  4. 今回の8月19~20日の遡上調査は、民間のコンサルタントの荒巻氏より協力をいただき、終日監視カメラを使用することができました。
  5. 監視カメラについては、解析データの分析等に時間がかかりますが、途中経過において傾斜板の3分の2の地点(G)までは魚が遡上したとの情報がありましたので、次の図面の通り傾斜板を改良することにしました。

彼杵式鮎傾斜板 側面図

 今後、荒巻氏より正確なデータが発表されます。土木研究所の村岡さんのアドバイスをいただき改良図面を作成いたします。

 最後に、反省点①で述べました遡上板付近の水位の誤差について、次年度は下流のスロープ付近に、田中、池田の製作施行チームが40㎝程度の傾斜板を新たに増設いたします。

 

9月6日 筑波大学ミーティング報告

9月6日、筑波大学のADS班で定例ミーティングを行いました。

議題は8月に行われた串側での遡上実験の振り返りと改善案についてです。

実験方法に関しては、

  • 魚が実験装置の土嚢の陰に隠れたこと、網の下に隙間があったこと、河床と魚の色が似ていること等により、魚が見にくく、捕まえづらかった
  • 捕獲時に逃げ出す可能性があった

といった課題が挙がり、これに対して、傾斜板下のいけすの下にブルーシートを敷き、ネットを挟み込んで囲うことで解決できないかといった意見が挙がりました。ブルーシートを敷くことによりいけす内の環境が変わってしまうことについては、慎重に考える必要がありそうです。

傾斜板の形状に関しては、

  • 魚が休める場所を作ったほうが良い
  • 「やな」のように、竹を束ねて作ってみる
  • 板の角度を段階的にし、上部の角度を緩くして水の勢いを抑える

といった意見が出されました。

8月の現地訪問のまとめは、10月に再度訪問した際に発表できるよう、今後ミーティングを重ねていきます。

串川遡上実験実施

 串川に設置した傾斜板の効果を検証しました。

1. 日時

  • 2017年8月19日(土曜日)天候 晴れ

2. 場所

  • 長崎県東彼杵郡串川

3. 目的

  • 鮎のはみ跡調査(傾斜板の上流と下流)
  • 傾斜板の効果を調査(魚の遡上が可能であるか)

4. 参加者

  • 白川准教授 及び白川ゼミスタッフ7名 合計16人
    池田団長、坂本顧問、中島事務局長、吉永氏、荒巻氏、坂本氏、和田氏、五十嵐
  • 協力 田中建設

5. 調査内容

<鮎のはみ跡調査(傾斜板の上流と下流)>

 AM9時、串川に傾斜板を設置した箇所にメンバーが集合し鮎の遡上の調査を行いました。
 前回の調査時には鮎の姿はありませんでした。荒巻氏が早朝より下流側から投網を入れて魚の調査を行いました。

 オイカワやヨシノボリは生息していましたが鮎は網に入りません。串川にもう鮎は上らないのかと心配でしたが川底の大きな岩を調べてみると・・。

 いるいる。鮎のはみ跡を発見!。岩についた苔を大きな鮎が食べた痕が残っていました。
 上流側も調べましたが残念ながらはみ跡は発見できませんでした。

<傾斜板の効果を調査(魚の遡上が可能であるか)>

 白川ゼミスタッフにより傾斜板の検証が行われました。傾斜板の下流側に放流した魚が上流に登ったか否かを調査します。

 スタッフが事前に制作した網を傾斜板の周囲に設置しました。

 この中に投網で捕らえた魚やウナギを放流しました。スタッフが放流した数をカウントしておきます。

 土手のテントの上から魚の遡上を監視します。また夜間はビデオを使ってその他の生き物の遡上を調べます。

 準備を終えて夕方の満潮時に鮎が傾斜板の下流に姿を現わしました。20cmを超える大きな鮎が数匹苔を食べています。(土手からの撮影につき光が反射し見にくいですがご了承ください) 当日のレポートは後日掲載いたします。



参加の皆様お疲れ様でした。

しじみ養殖地の調査

 しじみの養殖地について調査を行いました。彼杵川周辺の農業用用水路で安定した地下水が流れている箇所を池田団長が事前に調査をしていただいたので、荒巻さんに同行していただき意見を頂きました。

1. 日時:2017年8月20日(日曜日)

2. 場所:東彼杵町三根郷

3. 目的:しじみ養殖地の調査

4. 参加者:池田団長、坂本先生、荒巻氏、五十嵐

5. 調査結果

  • 水の流れはやや早いが数十メートルおきに”溜まり”ができる箇所がある。
  • 水温は約22度。水は澄んでおり底は砂利状。
  • 現場はウナギが生息する場所で罠が仕掛けられている。
  • カワニナとジャンボタニシの生息を確認。
  • 取水時の水量は不明。

6. まとめ
 荒巻さんの見解によると、「充分に生息できる環境は整っているが、水量が増えた時に流される可能性があるので、実験的に少量の稚貝を入れて観察する事が望ましい」ということでした。次回の放流の際に実施したいと思います。

東彼杵町三根郷

“バイオマス”ムーブメントについて

~ムーブメントの始まり~

 彼杵おもしろ河川団のHPに、自然を大切にする活動の中で“バイオマス”についての五十嵐さんの投稿がスタートしています。五十嵐さんより、「全体の流れをブログに書いてください。」と依頼があり、以下、述べさせてもらいます。
 デジタルアーカイブにおける五十嵐さんの表現。
「天災なのか、人災なのか」・・・

 そんなメッセージ。確かに当たっていると思います。でも、過去のことを振り返ってもしかたない。これは全ての人たちの責任です。ならば、おもしろ河川団としても何かできないだろうか。そう考えるようになりました。これは、北部九州の大雨のニュースを見て、考え、考え、考え抜いた、全国に発信できる小さな小さなムーブメントです。そう、小さな解決プランの提示です。

 大地を守り、緑を守り、子どもたちの未来を守るためには、小さなことに入り込んでアユを遡上させようと専門家が終結する男性中心のスタッフより、「女性の母性による感性」がリーダーシップをとるべきだという流れになりまして、土木研究所の河川生態チーム、及び、西短の津上ゼミの女性スタッフを中心に、“多くの人に” “解りやすく” をテーマに「絵本大作戦」がスタートしました!

 過去のことは論じてもしかたない。少しずつ前へ!ガンバレ!「もののけ姫大作戦」です!
 “もののけ姫” は、自分を育ててくれた太古の森と、自分を育ててくれた仲間(ヤマイヌやイノシシなど)を守るために、太古の森を破壊する人間社会に、仲間と共に挑みました。あの凛とした美しさ、野生美は、男性の憧れです。私たちは、女性のバックアップを続けます。

~「絵本大作戦」の概要~

 絵本は3部構成の予定です。

  1. 大雨による土砂崩れで生き物が流される。(あきら君が子どもの頃のストーリー)
  2. 森や川が健康であるために必要なこと。(あきら君のおじいちゃんの昔話)
  3. バイオマス編(あきら君が大きくなってからのストーリー)

~薪ストーブとバイオマス~

 当町では、5年前に、小さな町の先進的なチャレンジとして、二次燃焼式の大気にやさしく、人にやさしい(遠赤外線暖房)システムの薪ストーブが町の図書館に設置されました。
 二次燃焼方式の薪ストーブは、「アフターバーン」または「クリーンバーン」と呼ばれ、一度目は薪を燃やし、その後で、発生した煙を燃やすという、人にも大気にもやさしい薪ストーブです。(煙はほとんど出ません。)

 なぜ、薪がバイオマスなのか。

  1. 木質発電(薪を電気に変えます)
  2. ペレットストーブ(薪を小さなペレットの粒にしてストーブを燃やします)
  3. 薪そのものをストーブに燃やします。この手法は、一番シンプルでローコスト。大型投資も必要ない原始的なものです。「絵本大作戦」では、あきら君(主人公)のおじいちゃんの時代のストーリーに展開し、「再現リバイバル大作戦」となっています。



 薪と石油はどう違うのか。

 薪、木材は、「カーボンニュートラル」、大気中のCO₂を吸収してカーボン燃料(木質)に成長し、また、それを燃やしても、薪(木材)は再生可能な燃料です。また生えてきます。

 石油は、一度燃やしたり化学製品に転用しても、再生不可能です。今は再生プラスチックもペットボトルと同じように注目されていますが、本当は、ペットボトルの再生工程において石油が使われています。再生不可能なのです。(飲み物は、なるべくマイポットを持参しましょう。)

 薪ストーブでのバイオマスで大切なのは、「ロハス(LOHAS)大作戦」です。本来の里山は「森林多様性」(なんでもかんでもゴチャゴチャバランスで木が生えていること。)これは、川や海の生き物の指標「生物多様性」(なんでもかんでもゴチャゴチャいろんな生き物が共存すること)と同じです。里山の杉、ヒノキを抜いた後にどんぐりの苗を植える。どんぐりも、杉も、ヒノキも、カキの木も、ごちゃごちゃ共存する里山。アユもどじょうも、うなぎもカニも共生できる河川と同じです。もちろん、どんぐりの木も大きくなったらストーブの薪として、杉、ヒノキと一緒に燃料として使います。「ロハス大作戦」です。

 以上、小さな町の、全国に向けた小さなバイオマス事業。もうすぐ、絵本のストーリーもHP上に展開します。お楽しみに!!!

~今後に向けて~

 最後に、我が家のバイオマス(木質)大作戦は、知り合いの植木屋さんが不要になり処理コストばかりがかかる伐採された杉やヒノキ、広葉樹(カシ、カキの木等)を頂き、自宅の小さな薪ストーブの燃料として使うこと。冬になると燃やして、ストーブの周りには私とカミさん、なぜか2匹の捨て犬と、もらい手のなかった小型犬がストーブの正面にドンと居座っています。私は、知り合いから頂いた芋を焼いて、冬になるとおいしく食べながら暮らしています。池田家は、生き物(犬)と一緒に、不要になった薪を使い、毎日楽しく、あたたかく暮らしています。我が家の「バイオマス」はもう、完全に出来上がっています。

 町の図書館のバイオマスは、発展途上の段階ですので、大いなる可能性を秘めています。
 今後の展開が非常に楽しみです。

文章:団長 池田健一
編集:五十嵐克也
校正:津上佳奈美

アユの遡上実験準備

8月12日、いよいよ筑波大学から東彼杵に向かう日が近づいてきました。現地では二つの班に分かれて活動をします。そのうち一方の班でアユの遡上実験を行います。川幅の長さ分のネットを張ってアユが逃げて行ってしまうのを防ぎます。

当日スムーズに実験が始められるようにネットの準備をしました。網戸のネットを6枚縫い合わせて、合計で12メートルほどのネットの作成です。網の目は細かすぎると目詰まりしてしまうと考え、粗めのものを選びました。また、普通の縫い糸だと強度が足りない可能性があるため、釣り糸を使用しました。

ネットの端は切りっぱなしとなっており、縫うのが端に近すぎるとほつれるという惨事が。それに加えて、裁縫で使う玉止め、玉結びはネットには通用しませんでした。網目に柔軟性があり、結び目が目を通り抜けてしまいます。仕方がないので網目に糸の結びつける形で固定しました。



普段はあまり針にも糸にも馴染みの無い大学生の作業はなかなか捗らず。それでも何とか完成した時には達成感がありました。
当日もどうか破けず、実験がうまくいきますように!

(筑波大学白川研究室 岸田まりな)

彼杵川・串川

 九州北部豪雨で森と川が抱えていた問題により、多くの人や川の生き物たちの命が奪われました。ある人はこれを天災とし、ある人は人災と言っています。

 さて、私が住む地元の川の健康状態はどうなんだろうと振り返ってみました。

 写真は串川の雨降りの前後と彼杵川の記録です。雨が降るとみるみる水量が増し泥水が流れ込んでいました。
 水源涵養機能を持った豊かな森は雨水を蓄えることにより水量と水質を安定させることができるといいます。

 泥水は危険が迫ったサインとも考えられます。「川の生き物たちを元気にする」ために、これからは森にも目を向け観察を続けたいと思います。

 

朝倉郡東峰村

 九州北部を襲った集中豪雨により、ここ東峰村も大きな傷を負いました。

 約一週間が経過し道路の土砂もようやく取り除かれたので、7/14からボランティア活動が開始されました。
 寸断された道路があるため、受付会場は「道の駅小石原」側と宝珠山側に分かれましたので、私は次男と小石原側に行って受付。三連休の初日なのでam8:40に到着した頃には150人ほどのボランティアが全国から集まっていました。
 社協から受付説明を受けたのち、グループに分かれて依頼のあった先に向かいます。

 道路は土石流により数日前に通った道路とは思えない、まるで別の場所のような姿になっており、家屋の崩壊もいたるところで発生しています。土砂とともに流されている大量の針葉樹が目立ち被害を大きなものにしているようます。
 私が応援に入ったところはある窯元で泥のかき出し、土嚢作り、洗浄作業を実施。

 家主の話によると自家用車を流され土砂が腰の高さまで家の中に入り込んできたそうで幸運にも家は流されなくて済んだので命は助かったとのことでした。

 猛暑の中休憩をはさみながら大量の土嚢を作っているとフラフラしてきて午前中でギブアップ寸前。こりゃ体がもたないなと弱気になりましたが、午後から壁の洗浄担当になったのでなんとか15時の作業終了時間まで頑張ることができました。

 同じグループの方は京都から徹夜で一般道を走り9時の受付時間に到着。そのまま夕方までハードな作業を行っておられました。仮眠後一般道で京都に帰るそうです。

 まだまだこれから復興が続きますがボランティアの皆さん、地元の皆さん体をこわさないよう頑張ってください。

 写真撮影は被災した方の心情を考慮し控えさせていただきました。

 東峰村では、社協にてゴム手袋やマスクを用意していただいていましたが、ゴム長、保護メガネは準備が必要です。近くに店はありません。飲料水と食事も忘れず持参してください。

【本所(小石原)】
受付時間:9時~11時
場所:小石原焼伝統産業会館(福岡県朝倉郡東峰村小石原730−9)
TEL1:090-6569-4753
TEL2:090-8348-2864

【宝珠山サテライト】
受付時間:9時~11時
場所:東峰学園(福岡県朝倉郡東峰村大字福井2296-4)
TEL1:090-8348-2899
TEL2:090-8348-2962

管理人

ドジョウ繁殖実験場池での活動報告

平成 29 年 5月 19日 
八反田自治会愛護団体 林 博義 
彼杵おもしろ河川団  荒巻 陽介

1. 日時2017年5月13日(土曜日)天候 晴れ

2. 場所:八反田

3. 目的:ドジョウ繁殖実験場池の整備、及びドジョウの生育状況調査と稚魚の放流

4. 参加者:合計18人

  • 八反田愛護団体委員 富永通治氏
  • 西九州短期大学 津上教授親子(女児)
  • 津上ゼミ生徒諸君 男性1名 女性6名
  • 日本河川流域ネットワーク 和田氏
  • おもしろ河川団会員 中島氏親子(国交省事務所課長)坂本先生、池田氏
  • 国立研究開発法人 自然共生研究センター専門研究員 坂本氏
  • 公益財団法人 日本釣振興会 五十嵐氏
  • 江上小学校校長 横尾先生 
  • 地元町議 吉永氏
    他多数の参加を得て実験池の中に入り整備を実施した。

5. 経過と問題点

  • 昨年(H28) 4月20日ドジョウ稚魚(約2cm)2,500匹を放流した。
  • 今回回収したドジョウの数16匹 体長16cm内外。
  • 飼育中に死んだ数36匹。
  • まだ土の中に潜り込んで回収できない数 推定200匹前後いる可能性がある。
  • 多くは壁を乗り越え、又は亀裂した隙間や排水口より逃げたものと思われる。

6. 対策整備内容

  • 外壁に60cmの鉄板(町より譲り受け)を立て、ドジョウの飛び出し防止対策をした。
  • 池の中央寄りを若干掘り下げ水の溜り場とし、排水用パイプL字型50mmを埋設した。
  • パイプ入り口と出口には網の蓋を設けドジョウの逃げ出し防止対策とした。



7.  概要

 津上ゼミ生徒さん全員ズボンをまくり上げ、池のドジョウ捕獲回収に奮闘しました。
ミノやタブにて捕獲したら、ワイワイ、キャーキャーの大騒ぎ、大変楽しかったです。
 また、津上先生の子どもさん(小3菜乃巴ちゃん)も一緒になってどろんこ遊びしたり、ドジョウを素手で掴んだりの貴重な体験の一コマでした。(誰でもが泥まみれ)
 整備終了後、注文先から届いたドジョウの稚魚500匹を放流し解散しました。皆さん、ドジョウを通じ新しい方とお知り合いになれました。本当に楽しかったです。ありがとうございました。

津上ゼミの皆さんお疲れさまでした。

 

 


ドジョウ料理の開発

平成29年5月15日
ドジョウ料理開発担当
中島、荒巻、坂本、J君

ドジョウの繁殖実験池での活動

報告/5月13日実験池のドジョウ飛び出し防止策のつづき(回収ドジョウのその後)

 実験池のドジョウ飛び出し防止策のつづきです。昨年放流し、16㎝前後に成長したドジョウについて報告します。


 ドジョウの今後の取り組みの一つとして、彼杵ドジョウのブランド化を目指しており、ドジョウの料理の開発も行っていきたいと考えています。

 今回、回収した16㎝前後のドジョウを自宅に持ち帰り、今後のブランド化のための犠牲になって頂きました。

・調理担当は、
①おもしろ河川団入団希望者で、
②魚釣りと料理(作る、食べる)と川とが大好きで、
③澤部(ハライチ)にちょい似の
④高校1年生「J君」16才です。
・今回初めてのドジョウ料理という事で、オーソドックスな天ぷらと蒲焼きに挑戦です。


☆☆☆ ここからは、調理担当の「J君」のコメント ☆☆☆

まずは、天ぷら!

◇色合いが微妙なため、オレンジを置いてみた??

◇味は、鶏皮を食べているみたいで美味しい!



続いて、蒲焼き!

◇ご飯とあわせるのは普通なので、パンとあわせてドジョウサンドにしてみた。

◇味は、レタスのシャキシャキとドジョウのふわふわな身が合って美味しい。

◇両方とも臭みは無かった。(水槽に1日入れて泥抜き)



☆☆☆ Jコメ ここまで ☆☆☆


J君

  • 今後は、養殖実験池で大きく育ったドジョウを林さんに分けていただきながら、東彼杵ブランドとして、皆さんが食べたくなるドジョウ料理の開発も進めます。(彼杵茶とのコラボ料理など)
  • 将来、「道の駅彼杵の荘」でドジョウ料理が出品されるまで、頑張れJ君!
  • 実験池のドジョウ飛び出し防止策の効果で沢山のドジョウが大きく元気に育ちますように。

串川で鮎はみ跡調査

 長崎県の串川で傾斜板を使って鮎が遡上したか、はみ跡の調査を行いました。

1. 日時

  • 2017年5月13日(土曜日)天候 晴れ

2. 場所

  • 長崎県東彼杵郡串川

3. 目的

  • 鮎のはみ跡調査

4. 参加者

  • おもしろ河川団会員 池田団長、坂本顧問、中島事務局長親子、吉永氏、荒巻氏、坂本氏、和田氏、五十嵐
  • 江上小学校校長 横尾先生
  • 西九州短期大学 津上助教親子(女児)
  • 津上ゼミ学生 男性1名 女性6名 合計18人

5. 調査内容



 5/12 は生憎の雨。先般設置した傾斜板は前日の大雨の際もビクともしません。5/13は水位は下がってくれました。

 今回初参加の西九州出し額の津上ゼミの生徒さんに、中島事務局長から傾斜板や鮎について説明がありました。説明の後、鮎のはみ跡調査を行いましたが、残念ながら発見できませんでした。

6. 調査結果

・傾斜板の下や河口域まではみ跡調査を実施。投網で遡上の有無も調べましたが、遡上の痕跡はありませんでした。次回は6/11に再度調査いたします。

【鮎はみ跡について】

鮎は稚魚期プランクトンや小型水生昆虫、落下昆虫を捕食しますが、成長にしたがい苔が主食となります。
鮎が生息しているか否かは、小石に付いた苔を観察するとわかります。

(2017/6/4 筑後川水系花月川にて)

彼杵式鮎傾斜板遡上実験

 長崎県の彼杵川で彼杵式鮎傾斜版の遡上実験が行われました。

1. 日時

  • 2017年5月13日(土曜日)天候 晴れ

2. 場所

  • 長崎県東彼杵郡彼杵川

3. 目的

  • 彼杵式鮎傾斜板の効果確認

4. 参加者

  • おもしろ河川団会員 池田団長、坂本顧問、中島事務局長親子、吉永氏、荒巻氏、坂本氏、和田氏、五十嵐
  • 江上小学校校長 横尾先生
  • 西九州短期大学 津上助教親子(女児)
  • 津上ゼミ学生諸君 男性1名 女性6名 合計18人

5. 実験内容

 荒巻氏と坂本氏が早朝から川に入り鮎の遡上の有無を調査。(※事前に調査の許可を頂いています)

 鮎は約7cm程度。今年は成長が遅いようです。

 傾斜板の遡上の実験も行いました。表面にネットを取り付けることにより遡上が行いやすくなったようです。

6. 検証結果

  • 今年は鮎の大きさも数も遅れているようです。前日にまとまった雨が降ったことも影響しているかも知れません。
  • 現在の仕様で7cm未満の鮎の遡上も可能であることが分かりました。

串川傾斜板効果検証

  • 日時:2017年4月14日
  • 場所:串川
  • 参加者:池田団長、中島氏親子、吉永氏、荒巻氏、五十嵐氏
  • 協力者:田中建設

 3月に串川に設置した傾斜版について、効果検証のための調査が行われました。
 第一回目の経過報告についてレポートいたします。

串川鮎遡上傾斜板の設置

1.日時:2017年3月25日

2.場所:串川

3.目的:鮎遡上傾斜板取付け

4.参加者:池田氏、中島氏親子、和田氏、荒巻氏、吉永氏、高月氏、林氏、五十嵐

5:協力:田中建設(土嚢の作成と提供をしていただきました)。

 

  彼杵おもしろ河川団のメンバーが集まり、設置作業が行われました。

《背景》

 平成9年に河川法が改正しました。
 河川法では、河川を管理する目的として、これまでの「治水・利水」のほか「川の環境の整備と保全」も定義されましたが、河川を取り巻く環境は過去と現在とでは水量、水流、水位は大きく異なり、生き物にとって好ましくないと推考されます。
 その一例が、高さが1m近くの堰。ゲリラ豪雨や干ばつにより水が多すぎても少なすぎても小さな遡上生物は遡上出来ず、治水・利水の為の堰が、遡上生物の壁として立ちはだかっていることが確認できました。

《傾斜版について》

 この傾斜板は、利水板付属傾斜装置という名称で農業用水の利水の為の利水板(角おとし)に取り付ける装置として、特許庁に登録しております。
 実験装置を製作し、彼杵川で遡上魚を用いて実証実験を3年間に渡り行い、効果を検証しながら多くの問題点を解決してきました。

《串川に取付け施工するこれまでの流れ》

 2年前の夏筑波大学チームが彼杵で合宿を行う際に、彼杵の川の中でも一番川幅が小さく、例えると、「溝」のような串川に注目しました。その串川は30~40年前はアユ等の遡上魚が「列をなして遡上していた」との地元の方々の情報を聞いたのがきっかけとなりました。
 そこで、平成28年の春に、彼杵川での実証実験の際に、来町して頂いていましたイデア㈱チーム、国交省中島氏に調査を依頼したところ、”堰がある手前までアユ等の魚が遡上している”という事実が確認できました。
 また平成28年の夏、筑波大学合宿の際に、ある地点を境に「遡上あり」その上には「遡上なし」、という事実を再度検証しました。

《取り付け施工作業》

  彼杵おもしろ河川団のメンバーが集まり、設置作業が行われました。

 当日朝、彼杵式鮎傾斜板が運び込まれ、設置の打ち合わせが行われます。

 ここに魚道が設置されました。アンカーボルト12mmで4箇所固定します。大雨の時は取り外しができます。

 無事設置完了しました。遠くから参加の皆様、お疲れさまでした。



《今後の展開について》

 今回串川の実証実験で遡上魚のアシスト効果を明確に、数字で検証し、また今回の手法、過程、制作法、固定法などをHPにて公開し、大村湾全域の豊かな海の展開に役立ててもらえばと考えています。
 串川の魚道設置の準備におきまして、次の図面の通り準備を進めております。 この河川は堰に傾斜がついているため、つくば大学に傾斜角を測定していただき修正を加えたものです。

※この設置については、県北振興局河川課において、設置許可を事前に頂いています。

 

串川で魚道の実験開始!

 3月25日 長崎県東彼杵の串川に彼杵式鮎遡上傾斜板を設置しました。
 地元の方の話によると串川は昔多数の鮎が遡上し産卵していましたが、昨今は遡上が見られません。原因を調べたところ、写真の堰の段差が影響しているのではないかと思われましたので、池田団長が彼杵川で実験を行った傾斜板を串川の堰の形状に合わせて造り、設置しました。

 荒巻氏がウェットスーツを着用し、投網を使ってアユが遡上しているかを調べてくれましたが、まだ時期が早いようで姿は確認できませんでした。

 任務完了。彼杵町役場の高月様、吉永様のおかげでスムーズに事業が行われました。ありがとうございます。
 堰の高さ、水量の問題がありますので鮎が遡上してくれるかどうか引き続き調査を行います。


 設置が終了し遅くまで次回のスケジュールの打ち合わせ。次回はどじょうの放流を予定しています。

 遠くは東京からボランティア参加の有志達です。
 和田様、荒巻様、林様、中島様、池田団長、お疲れ様でした。
 

ドジョウ養殖 今後の展望について

平成 29 年 1 月 21 日 修正版 
林 博義・森 稔・荒巻 陽介

1.背景と概要

・私たちの団体は、「東彼杵町を元気にしよう‼」を合言葉に 4 年前に設立しました。これまで、地 域(長崎県東彼杵郡東彼杵町八反田郷地区)を流れる「千綿川」を中心に、自然環境の保全・地域 おこし等に関する活動を行ってきました。
・昨年(平成 28 年)からは、自然環境の保全・地域創成・防災の観点から、「休耕田を活用したド ジョウ養殖の活動」を開始しています。
・昨年は、水田内でドジョウを大きく育てることに成功しました。

2.昨年(平成 28 年)のとりくみの内容

・平成 28 年 4 月から、自宅近くの休耕田を活用して、試験的にドジョウの養殖を開始しました。
・今回は、種苗(ドジョウの赤ちゃん)2,500 匹を購入し、大きく育てることを目標としました。
・ドジョウは、養殖開始後約半年で、大人のサイズまで成長させることに成功しました。


3.課題と今後のとりくみ(展望)

・昨年のとりくみでは、ドジョウを大きくすることに成功しましたが課題もみえてきました。今後は、 以下の項目にとりくみたいと考えています。

今後のとりくみ①  ドジョウの逃亡防止対策の実施
・昨年は休耕田で養殖していたドジョウの多くが逃亡してしまいました。
・今年は、これをふまえ、「周囲(畔)への波板の設置」、「排水口の改良」といったドジョウ逃亡防 止対策を講じる予定です。

 今後のとりくみ② ドジョウの完全養殖・展開
・昨年は、種苗(ドジョウの赤ちゃん)を購入して育てましたが、私たちのとりくみの目的のひとつは「自然環境の保全」です。
・近年全国的にみても減少傾向にあるドジョウをはじめ、氾濫原性の生物(フナやナマズなど)について、休耕田内で繁殖(産卵⇒成長⇒産卵)させることを目標にとりくみたいと考えています。
・また、現在は1か所の休耕田での試験的なとりくみですが、さらに大村湾沿岸の休耕田にも、本活動を展開していきたいと考えています。なお今後も、とりくみの成果・ノウハウについては“彼杵おもしろ河川団ホームページ”で随時公開していきます。

今後のとりくみ③ 彼杵ドジョウの地域ブランド化
・将来的には、彼杵ブランドとして認知度が高い「彼杵茶」のドジョウ飼育への活用、ドジョウ料理の開発などを行い、休耕田で飼育したドジョウをブランド化(彼杵ドジョウのブランド化)したいと考えています。
・また本活動をとおして彼杵地域自体の活性化(彼杵地域のブランド化)にもつながるような展開を思案中です。

 

しじみ養殖の取り組み

160818_01 
 昔の田圃や水路に多くのシジミは豊富に住んでいましたが、人間の便利さの追求により、いつしか追いやられてしまいました。

 シジミやあさりなどの二枚貝は、天然の「水フィルター機能」を持っています。シジミを増やす事でシジミ汁などの料理も可能ですが、天然フィルターのシジミが増える事で、驚くほどの水質浄化機能を果たしてくれます。

 ドジョウの「水源涵養」それにシジミの「水質浄化」は「豊な生物の住める清らかな川」を作り、その川の流れ込む大村湾の豊かさも望めます。
 シジミは天然生物の王様です。

 

 

休耕田を活用したドジョウ養殖の取り組み

160818_01 ドジョウの養殖は、商品として販売することも選択のひとつですが、今使われていない棚田(休耕田)に水を張り、そこに野鳥が飛び交い、ホタルが舞い、トンボが青空を滑空する、本来の棚田の風景を取り戻すのも目標のひとつです。また、ドジョウの住める棚田は水源涵養(流れる水を溜め込み、しみこませ、自然に放水すること)の機能も果たします。



美味しく(あっ!違った) 大きく 元気に育ってね!・今後は、養殖実験池で大きく育ったドジョウを林さんに分けていただきながら、東彼杵ブランドとして、皆さんが食べたくなるドジョウ料理の開発も進めます。(彼杵茶とのコラボ料理など)

・将来、「道の駅彼杵の荘」でドジョウ料理が出品されるまで、頑張れJ君!

・実験池のドジョウ飛び出し防止策の効果で沢山のドジョウが大きく元気に育ちますように!

 

彼杵式鮎遡上傾斜板

150807_02 ボランティア活動及び実験装置の作成、設計、書類作成、サンプルの採集、及び知的所有権の登録、Web はすべて「おもしろ河川団」のメンバーにより行われています。

 また、行政の協力や河川生物、河川環境のコンサルティングも受けており、そのひとつが欠けても成果は見込めません。例えば、実験装置を使った遡上実験を施行する際、地元の川で取れた現地のアユでしか実験ができないため、4月または5月の天候が良い日、全員が動ける日を決め、朝、暗い内から、河川生物のコンサルタントの有志の方が川に入り、アユの生魚を彼杵川で採集します。

 他にも次のような作業を分担して行いました。
・実験装置のモデル製作(カスタムプロホワイトで製作)
・レポートの作成(河川環境コンサルタント有志)
・実験の現場作業促進(河川生物コンサルタント有志)
・実験後の反省、今後の方針決定(全員協議)
・知的所有権(特許及び実用新案)の登録(筑波大学白川ゼミ)

 それぞれの責任分担を明確に、意見を交えながら決めています。そこに多くのネットワークの方々に見守っていただき、継続しています。これは確実に他の川では実現できない事だと考えて、その責任の重さで団員一同動いています。

 2016年までの実験成果は次の通りです。2017年5月から、①ジャンプによる遡上の確認 ②傾斜版の形状改良の検討 ③ビデオカメラによる遡上の確認 を実施する予定です。

 

 


知的所有権

 

彼杵式流量調整機能付き簡易魚道

160820_07 彼杵川は、汽水域から中流域まで4km程度しかありません。その4kmに3ヶ所の魚道と2ヶ所に1m程度の堰が点在しています。それも人が入りやすい。流量も流速も適当な安全な川です。まさしく「遡上実験のモデル河川」といえます。

 平成25年に3ヶ所の魚道の一番目に利水(農業用確保)の角落とし(利水板)があり、「垂直の壁があると水の少ない時期、アユは堰を登れません」と問いかけたのが国交省のアユ好き職員の中島氏です。それから知的所有権取得を検討し、平成26年に筑波大学の合宿の際に話し合い、27年9月に実用新案登録を完了しました。

 その後、川の水位が不安定になったことにより、(30年~40年前にはなかった事でです)今まで登れた1m程度の堰をアユが登れなくなっており、それを全員で相談し、解決したのが「彼杵式流量調整機能付き簡易魚道」です。これは河川工法のひとつのコストダウンの手法にもなり、全国に広げたいと考えています。