大木トオルさんとの出会いから~つなぐ「生き物を守るバトン」~

 今年の5月、筑波大学「白川ゼミ」に招かれて、私は、大学のダイビングプールで、仕事以外の唯一の特技である“シュノーケリング”を披露させて頂きました。
 その後、「ミスターイエローブルース」大木トオルさんの“セラピードッグ”の講演を間近で拝見させて頂きました。トオルさんは、「東京オリンピックまでに、日本での“犬・猫殺処分ゼロ”を目指す。」それを、はっきりと提言されています。

 長崎に帰ってから、どうして“殺処分ゼロ”ムーブメントを実現されるのか、ずっと考え続けてきました。その後、朝日新聞(2017.3.12)の日曜日の全面広告と、「名犬チロリ」の絵本を送付いただき、“殺処分ゼロ”ムーブメントの実現の確証を、私は受け取りました。

 講演で見たリアルな動画。日本での犬・猫の殺処分はガス室送り。先進国と言いながらも日本には、ナチスの時代と同じく残っている「動物ホロコースト」のようなガス室がある。さらに、ガスを節約するために、まだピクピクしている犬や猫をそのまま焼却している自治体があることも知りました。それは、目と心に今も焼き付いています。

  1. そのメッセージを、欧米の愛犬家と連絡を取り合い、みんなで協力し、東京オリンピックまでに“犬・猫の殺処分ゼロ”を実現する。まずは、日本、そして、世界に・・・。「名犬チロリ」の絵本。現在の社会情勢に訴求される、今がジャストタイミング!
  2. そんな時に出会った、おもしろ河川団の女性主体の2つのチーム。土木研究所と西短津上ゼミ。
  3. 当町の図書館では、川の生き物“アユさん”が主人公になっている紙芝居が完成していた。(これは当方の乱雑なメモが舞台形成の物語になり、児童対象の読み聞かせチーム「くじらっこ」の皆さんのおかげで、紙芝居として6年前に完成していたものです。この6年前のことは、私は全く忘れていましたが…)

 これら①②③の3つの不思議な複合要因で、紙芝居に登場する川の生き物“アユさん”から、主人公が「アキラ君」にバトンタッチし、アキラ君の裏山の大雨による土砂と人工林の流出から始まり、アキラ君が大きくなった時、仲間たちと裏山から切り出した杉・ひのきを町の図書館の薪ストーブの燃料につかい、そこにはたくさんの人が集まってくるというストーリーが展開していきました。6年前の紙芝居が、今、おもしろ河川団の女性チームによる“絵本大作戦”に拡がってスタートしています。

 筑波大学でリアルに見せて頂きました、大木トオルさんのセラピードッグの講演と、私たちのリクエストによる、大木さんの友 BEN.E.KING作曲の、あの名曲「スタンド・バイ・ミー」の本場のソウルフルなハートに響く熱い歌声。どちらも、私たちの心の中にしっかりと焼き付いています。大木トオルさん、ありがとうございました。

「忌まわしい現実を“殺処分ゼロ”にすべく熱い闘い」、3月12日の全面広告に刺激を頂き、私たち、彼杵おもしろ河川団も熱い思いを胸に、川の生き物を守るために「人は生き物の一員である」とのプライドを持って、これから前へ少しずつ進んでゆきます。
 しっかりと、川の生き物を守るバトンを、大木トオルさんから託されました。

「動物愛護法」の法律の定義は「何人もみだりに動物を殺してはならぬ」
 それが基本理念です。

 それと同じく、平成9年の「河川法」の定義も「利水と河川環境のバランス」
 その中での河川環境の意図は「自然と川の生き物との共生、バリアフリー」です。動物愛護法の動物には、犬や猫以外の野生の生き物も含まれています。もちろん、自然の中の川の生き物、アユやドジョウやカニさんも入っています。「動物愛護法」と「河川法」・・・共に、利便性を求めた人間社会の中で、人間以外の他の生き物を「弱者にしてはならぬ」そんなことだと、私は思っています。

「人間は万物の霊長」であるならば、人間以外の生き物の「悲しみ」も「弱さ」も、そして「はかなさ」も「慮らぬばならぬ」。それが、「霊長の責務」です。

 大木トオルさんから、そんなエネルギーを頂きました。ありがとうございました。
 また、いつか、お会いできればと思っています。

団長 池田健一

しじみ養殖地の調査

 しじみの養殖地について調査を行いました。彼杵川周辺の農業用用水路で安定した地下水が流れている箇所を池田団長が事前に調査をしていただいたので、荒巻さんに同行していただき意見を頂きました。

1. 日時:2017年8月20日(日曜日)

2. 場所:東彼杵町三根郷

3. 目的:しじみ養殖地の調査

4. 参加者:池田団長、坂本先生、荒巻氏、五十嵐

5. 調査結果

  • 水の流れはやや早いが数十メートルおきに”溜まり”ができる箇所がある。
  • 水温は約22度。水は澄んでおり底は砂利状。
  • 現場はウナギが生息する場所で罠が仕掛けられている。
  • カワニナとジャンボタニシの生息を確認。
  • 取水時の水量は不明。

6. まとめ
 荒巻さんの見解によると、「充分に生息できる環境は整っているが、水量が増えた時に流される可能性があるので、実験的に少量の稚貝を入れて観察する事が望ましい」ということでした。次回の放流の際に実施したいと思います。

東彼杵町三根郷

“バイオマス”ムーブメントについて

~ムーブメントの始まり~

 彼杵おもしろ河川団のHPに、自然を大切にする活動の中で“バイオマス”についての五十嵐さんの投稿がスタートしています。五十嵐さんより、「全体の流れをブログに書いてください。」と依頼があり、以下、述べさせてもらいます。
 デジタルアーカイブにおける五十嵐さんの表現。
「天災なのか、人災なのか」・・・

 そんなメッセージ。確かに当たっていると思います。でも、過去のことを振り返ってもしかたない。これは全ての人たちの責任です。ならば、おもしろ河川団としても何かできないだろうか。そう考えるようになりました。これは、北部九州の大雨のニュースを見て、考え、考え、考え抜いた、全国に発信できる小さな小さなムーブメントです。そう、小さな解決プランの提示です。

 大地を守り、緑を守り、子どもたちの未来を守るためには、小さなことに入り込んでアユを遡上させようと専門家が終結する男性中心のスタッフより、「女性の母性による感性」がリーダーシップをとるべきだという流れになりまして、土木研究所の河川生態チーム、及び、西短の津上ゼミの女性スタッフを中心に、“多くの人に” “解りやすく” をテーマに「絵本大作戦」がスタートしました!

 過去のことは論じてもしかたない。少しずつ前へ!ガンバレ!「もののけ姫大作戦」です!
 “もののけ姫” は、自分を育ててくれた太古の森と、自分を育ててくれた仲間(ヤマイヌやイノシシなど)を守るために、太古の森を破壊する人間社会に、仲間と共に挑みました。あの凛とした美しさ、野生美は、男性の憧れです。私たちは、女性のバックアップを続けます。

~「絵本大作戦」の概要~

 絵本は3部構成の予定です。

  1. 大雨による土砂崩れで生き物が流される。(あきら君が子どもの頃のストーリー)
  2. 森や川が健康であるために必要なこと。(あきら君のおじいちゃんの昔話)
  3. バイオマス編(あきら君が大きくなってからのストーリー)

~薪ストーブとバイオマス~

 当町では、5年前に、小さな町の先進的なチャレンジとして、二次燃焼式の大気にやさしく、人にやさしい(遠赤外線暖房)システムの薪ストーブが町の図書館に設置されました。
 二次燃焼方式の薪ストーブは、「アフターバーン」または「クリーンバーン」と呼ばれ、一度目は薪を燃やし、その後で、発生した煙を燃やすという、人にも大気にもやさしい薪ストーブです。(煙はほとんど出ません。)

 なぜ、薪がバイオマスなのか。

  1. 木質発電(薪を電気に変えます)
  2. ペレットストーブ(薪を小さなペレットの粒にしてストーブを燃やします)
  3. 薪そのものをストーブに燃やします。この手法は、一番シンプルでローコスト。大型投資も必要ない原始的なものです。「絵本大作戦」では、あきら君(主人公)のおじいちゃんの時代のストーリーに展開し、「再現リバイバル大作戦」となっています。



 薪と石油はどう違うのか。

 薪、木材は、「カーボンニュートラル」、大気中のCO₂を吸収してカーボン燃料(木質)に成長し、また、それを燃やしても、薪(木材)は再生可能な燃料です。また生えてきます。

 石油は、一度燃やしたり化学製品に転用しても、再生不可能です。今は再生プラスチックもペットボトルと同じように注目されていますが、本当は、ペットボトルの再生工程において石油が使われています。再生不可能なのです。(飲み物は、なるべくマイポットを持参しましょう。)

 薪ストーブでのバイオマスで大切なのは、「ロハス(LOHAS)大作戦」です。本来の里山は「森林多様性」(なんでもかんでもゴチャゴチャバランスで木が生えていること。)これは、川や海の生き物の指標「生物多様性」(なんでもかんでもゴチャゴチャいろんな生き物が共存すること)と同じです。里山の杉、ヒノキを抜いた後にどんぐりの苗を植える。どんぐりも、杉も、ヒノキも、カキの木も、ごちゃごちゃ共存する里山。アユもどじょうも、うなぎもカニも共生できる河川と同じです。もちろん、どんぐりの木も大きくなったらストーブの薪として、杉、ヒノキと一緒に燃料として使います。「ロハス大作戦」です。

 以上、小さな町の、全国に向けた小さなバイオマス事業。もうすぐ、絵本のストーリーもHP上に展開します。お楽しみに!!!

~今後に向けて~

 最後に、我が家のバイオマス(木質)大作戦は、知り合いの植木屋さんが不要になり処理コストばかりがかかる伐採された杉やヒノキ、広葉樹(カシ、カキの木等)を頂き、自宅の小さな薪ストーブの燃料として使うこと。冬になると燃やして、ストーブの周りには私とカミさん、なぜか2匹の捨て犬と、もらい手のなかった小型犬がストーブの正面にドンと居座っています。私は、知り合いから頂いた芋を焼いて、冬になるとおいしく食べながら暮らしています。池田家は、生き物(犬)と一緒に、不要になった薪を使い、毎日楽しく、あたたかく暮らしています。我が家の「バイオマス」はもう、完全に出来上がっています。

 町の図書館のバイオマスは、発展途上の段階ですので、大いなる可能性を秘めています。
 今後の展開が非常に楽しみです。

文章:団長 池田健一
編集:五十嵐克也
校正:津上佳奈美

アユの遡上実験準備

8月12日、いよいよ筑波大学から東彼杵に向かう日が近づいてきました。現地では二つの班に分かれて活動をします。そのうち一方の班でアユの遡上実験を行います。川幅の長さ分のネットを張ってアユが逃げて行ってしまうのを防ぎます。

当日スムーズに実験が始められるようにネットの準備をしました。網戸のネットを6枚縫い合わせて、合計で12メートルほどのネットの作成です。網の目は細かすぎると目詰まりしてしまうと考え、粗めのものを選びました。また、普通の縫い糸だと強度が足りない可能性があるため、釣り糸を使用しました。

ネットの端は切りっぱなしとなっており、縫うのが端に近すぎるとほつれるという惨事が。それに加えて、裁縫で使う玉止め、玉結びはネットには通用しませんでした。網目に柔軟性があり、結び目が目を通り抜けてしまいます。仕方がないので網目に糸の結びつける形で固定しました。



普段はあまり針にも糸にも馴染みの無い大学生の作業はなかなか捗らず。それでも何とか完成した時には達成感がありました。
当日もどうか破けず、実験がうまくいきますように!

(筑波大学白川研究室 岸田まりな)

彼杵川・串川

 九州北部豪雨で森と川が抱えていた問題により、多くの人や川の生き物たちの命が奪われました。ある人はこれを天災とし、ある人は人災と言っています。

 さて、私が住む地元の川の健康状態はどうなんだろうと振り返ってみました。

 写真は串川の雨降りの前後と彼杵川の記録です。雨が降るとみるみる水量が増し泥水が流れ込んでいました。
 水源涵養機能を持った豊かな森は雨水を蓄えることにより水量と水質を安定させることができるといいます。

 泥水は危険が迫ったサインとも考えられます。「川の生き物たちを元気にする」ために、これからは森にも目を向け観察を続けたいと思います。

 

東彼杵町立彼杵小学校 総合的な学習「私たちの川と海」

1.はじめに
 小学校の学習には、総合的な学習という教科があります。この教科の目標の一つに、自ら課題を見つけ、自ら考え、主体的に判断する力を身に付けるというものがあります。また、学習内容は、「国際理解」「情報」「環境」「福祉・健康」などの中から彼杵小学校の子どもたちが体験を通して探求できる領域を学校が設定します。
 彼杵小学校では、身近な「彼杵川」に目を向けさせ、そこから課題を考えさせ、学習を進めています。

2.川との出会い~川探検~
 彼杵川のことについてふれ、どのようなことを調べたいか子どもたちに投げかけると「彼杵川には、どのような生き物がいるのか」「彼杵川にはどのくらいゴミがあるのだろう」という2つの疑問がでてきました。そこで、この問題を解決するために彼杵川に探検に行きました。



 はじめは、川の中に入るのが初めての子も多く、手探りの探検でしたが、清流会の方々のお話を聞いたり、実際に活動したりするうちに、楽しみながら学習を進めていくことができました。
 今回の川探検で、彼杵川には様々な生き物がいること彼杵川はきれいではないかと考えられることの2点をつかむことができました。

4年担任 糸山 奈々美

ドジョウ捕り(5月26日の話)

  • 日時:5月26日(土) 14:00~17:30
  • 場所:霞ヶ浦周辺の水路ほか
  • 参加者:4人

5月26日、筑波大の研究室で飼育・観察するドジョウを捕まえるべく、レンタカーに乗り込み霞ヶ浦に向かった。霞ヶ浦に到着すると、初めに水路でドジョウを探し始めた。この日は晴れていたものの風が強く、霞ヶ浦は波立って荒れていた。そのせいか水路も水が多く濁っていた。

二人が胴長を着て水路に入り、腰まで水に浸かりながら網でガサガサ。泥を掬い上げてみるとさっそく何やら跳ねる魚の影が…タナゴだ。魚がいることがわかったので、定置式のワナを仕掛けつつ、その後もしばらく同じ水路でガサガサ。タナゴやフナが何匹か捕まったが、ドジョウは未だ発見されず。

そうしていると散歩途中の男性から声を掛けられた。

「そこにはドジョウはいないですよ。ドジョウはもっと水が浅い所じゃないと。」

聞くところによるとその男性は地元出身の元鉄道マンで、お父様が霞ヶ浦で漁師をされていたそうだ。子供の頃にはこの辺りでドジョウをたくさん捕まえていたということで、いろいろな話を聞かせてくれた。

  • 夜、雨が降って雷が鳴ると喜んで棚田の水路に罠を仕掛けに行った。翌朝にはたくさんのドジョウが入っていた。
  • ドジョウの味噌汁の作り方は味噌汁を作っておいて、熱々の鍋の中にドジョウを生きたまま丸ごと入れる。入れた瞬間にバチバチッと跳ねるので、素早く蓋をしないといけない。
  • 一番おいしいのはドジョウの卵とじ。醤油と砂糖でささがきごぼうを煮た中にドジョウを入れ、素早く蓋をして煮る。最後に卵でとじて出来上がり。
  • 田んぼでドジョウを捕まえるのなら水を浅く張るか抜いてしまうといい。夜は動かなくなるので、捕まえやすくなる。

2人がドジョウについての話を聞いている間も他の2人はドジョウ探しを続けたが、結局この水路では捕まらず。男性にお礼を言うと場所を移動することにした。

水田に場所を移し、再び胴長を着て水田の横の水路に入った。底の泥がとても柔らかく、予想以上に深さがあった。泥に足を取られながらガサガサすると…ついにドジョウがいた!小さいが、ぬるぬると元気よく動いていた。目的達成である。

目的達成後もしばらくガサガサを続けてタナゴやフナ、ザリガニなどを捕まえ、夕日とともに帰途についた。

今回捕まえた生き物たちは研究室の水槽で飼育する。ドジョウも水槽の中で元気に泳いでいた――さて、このドジョウは東彼杵町でのドジョウ養殖プロジェクトを成功させるヒントを与えてくれるだろうか?

貴重なお話を聞かせてくださった男性にこの場を借りて感謝申し上げます。ありがとうございました。

(白川研研究室『川と人』ゼミOG 中前  千佳)

幼児期の自然体験~「わくわく どきどき ちびっこ川の探検団」

 西九州大学短期大学部の津上ゼミのグループが「彼杵おもしろ河川団」の協力のもと自然の体験学習を行いました。

  • 日時:平成29年7月29日(土) 10:00~16:00
  • 場所:彼杵川河川公園、その他(シュノーケリングについては、当日検討)
  • 参加者:西九州大学短期大学部 幼児保育学科 津上ゼミ学生17名(男子2名、女子15名)教員1名
  • 指導者:池田健一 氏(彼杵おもしろ河川団 代表)
        中島忠 氏(国土交通省 九州地方整備局 遠賀川河川事務所)
        五十嵐克也 氏(公益財団法人 日本釣振興会)
  • 協力者:荒巻 陽介 氏(河川生物コンサルティング)
        中島 惇 氏(彼杵おもしろ河川団生き物調理担当)

9:30
<彼杵川集合>
彼杵おもしろ河川団、彼杵町町議会議員の後城氏と立山氏も参加されました。


10:00~
<川の安全講習会>
中島事務局長が川の安全教育と救助方法を説明。国交省の河川事務所の仕事をされておられ説得力があります。

 アイスブレーキングを行いコミュニケーションアップを行なった後に救命ローブ投入の訓練。

 その後救命胴衣を着用し川に入り泳ぎの体験を行いました。

13:00~
<シュノーケリング>
池田団長が担当。厳しい訓練が行われました。荒巻氏が安全のため、福岡から参加されました。

13:00
<釣り>
日本釣振興会長崎県支部の五十嵐氏から釣りの講習が行われました。オイカワが釣れました。

 猛暑の中の体験学習でしたが、参加の皆様は貴重な体験ができました。
スタッフの皆様お疲れさまでした。