千綿駅の東南の方向に赤いポストがあります。

  平成29年3月25日、やっと串川にアユの遡上する(うなぎ、モズクガニ等も呼び戻せる)彼杵式傾斜装置が、多くの方々の協力で設置出来ました。

 思い起こせば、10年前の彼杵川汽水域の清掃から始まったムーブメントが、なぜこんな形になったのか、今回は地元の私達5名、長崎から3名、福岡から3名、東京から1名が手弁当で参加しました。

 私もこの装置を作るのは今回で5台目。全て自作です。
 きっかけは10年前に大学の恩師の何気ないひとこと、「池田さん、汽水域から木戸造橋までは4kmアユは遡上するよ。」このひとことは、とんでもない高い壁でした。見事に先生のいい加減さにはめられました。

 まず、1番目の魚道に立ちはだかる垂直の農業用水確保の利水板(角おとし)、この垂直の壁の解決の為、知恵と勇気を出し合い、3年前に特許の登録完了。
 そして2番目は、彼杵川3番目の魚道の「呼び水(川の登り口を魚たちに知らせるサイン)」の問題解決の為、2年前、県の河川課の担当者の方にミニ改良工事をしていただきました。それが完了すると、次に木戸造橋までに立ちはだかる1mくらいの堰、2ヶ所。今回はその改良の為に場所を変えて、1m近くの堰のある串川に私たちはチャレンジしました。

 私はモノ(キャンピングカー)を作り、お金を頂き生活しています。でも、このムーブメントは、皆さんを含め、私も代金はまだ回収不能。私のベストパートナーの国交省の職員さんは、7年間福岡から交通費未回収、なぜ未回収を続けるの。それは、川の先住民の生き物に触れたからです。

 当方は毎日彼杵川の3ヶ所の魚道を犬の散歩で見続けていますし、夏になれば目の前の汽水域や川、そして少しでも川や海の生き物とのアイコンタクトをしたいが為に、海にもう30年以上シュノーケルで、ダイビングで泳ぎ続けています。

 現在も、その体力保持の為に人から見たらばからしい事を続けています。
 「お父さん、お風呂で毎日何をやってるの」「息をどれだけ止められるか訓練だよ。」そして週に2回、胸式呼吸、肺活動を増やすため、プールに通い続けています。

 短水路(50m)の記録は、リオ五輪の水泳選手、池江璃花子さんの24秒、これを25mに直すと12秒、私はやっと彼女の6倍遅いリズムで短水路(25m)息継ぎなしの無呼吸クロールで、最初は30秒、次に36秒、38秒、58秒、66秒・・・そして3月の中ごろにやっと72秒を達成しました。今では楽々です。なぜ72秒なのかは、これもばからしいと思われますが、足ひれ(フィン)をつけると、6倍の泳力が生まれますので、今のままで6倍72秒は12秒に短縮できるし、それを無呼吸(水の中)で泳ぐこと、それが目的です。家の風呂もプールも、あくまで、肺活量アップの訓練です。

 なぜそんな事を続けるのか、それは、海が、魚が大好きだからです。
 今の目標は、千綿駅の向こうの海によく現れる大村湾のスナメリさんと一緒に水中でゆったりと泳ぐことです。

 千綿駅の東南の方向に赤いポストがあります。
 お日様の光が優しさに変わったとき
 風が海の香りを運んでくれたとき
 海が波に託して万感のリズムを刻んだとき
 東南の方向に赤いポストが現れます。
 そのポストには、海への想いを、願えばスナメリさんが取りに来てくれます。
 それは、川の生き物にも届けてくれます。

 だって、川のアユさんのふるさとは、海、海の母親は森と川でちゃんとつながっています。
海と川と私たちも、太古の昔から。

 そうそう、おもしろ河川団のみなさま、未回収の請求書は、千綿駅の赤いポストから出してください。きっと、紙や金属のお金という形を変えて海から返信が戻ってきます。 

 最後に、筑波大学白川ゼミのみなさま、「Bay Of Mermaid 湾の生き物の笑顔」作詞、作曲も完成したら赤いポストへ投函してください。

by 池田健一

串川鮎遡上傾斜板の設置

1.日時:2017年3月25日

2.場所:串川

3.目的:鮎遡上傾斜板取付け

4.参加者:池田氏、中島氏親子、和田氏、荒巻氏、吉永氏、高月氏、林氏、五十嵐

5:協力:田中建設(土嚢の作成と提供をしていただきました)。

 

  彼杵おもしろ河川団のメンバーが集まり、設置作業が行われました。

《背景》

 平成9年に河川法が改正しました。
 河川法では、河川を管理する目的として、これまでの「治水・利水」のほか「川の環境の整備と保全」も定義されましたが、河川を取り巻く環境は過去と現在とでは水量、水流、水位は大きく異なり、生き物にとって好ましくないと推考されます。
 その一例が、高さが1m近くの堰。ゲリラ豪雨や干ばつにより水が多すぎても少なすぎても小さな遡上生物は遡上出来ず、治水・利水の為の堰が、遡上生物の壁として立ちはだかっていることが確認できました。

《傾斜版について》

 この傾斜板は、利水板付属傾斜装置という名称で農業用水の利水の為の利水板(角おとし)に取り付ける装置として、特許庁に登録しております。
 実験装置を製作し、彼杵川で遡上魚を用いて実証実験を3年間に渡り行い、効果を検証しながら多くの問題点を解決してきました。

《串川に取付け施工するこれまでの流れ》

 2年前の夏筑波大学チームが彼杵で合宿を行う際に、彼杵の川の中でも一番川幅が小さく、例えると、「溝」のような串川に注目しました。その串川は30~40年前はアユ等の遡上魚が「列をなして遡上していた」との地元の方々の情報を聞いたのがきっかけとなりました。
 そこで、平成28年の春に、彼杵川での実証実験の際に、来町して頂いていましたイデア㈱チーム、国交省中島氏に調査を依頼したところ、”堰がある手前までアユ等の魚が遡上している”という事実が確認できました。
 また平成28年の夏、筑波大学合宿の際に、ある地点を境に「遡上あり」その上には「遡上なし」、という事実を再度検証しました。

《取り付け施工作業》

  彼杵おもしろ河川団のメンバーが集まり、設置作業が行われました。

 当日朝、彼杵式鮎傾斜板が運び込まれ、設置の打ち合わせが行われます。

 ここに魚道が設置されました。アンカーボルト12mmで4箇所固定します。大雨の時は取り外しができます。

 無事設置完了しました。遠くから参加の皆様、お疲れさまでした。



《今後の展開について》

 今回串川の実証実験で遡上魚のアシスト効果を明確に、数字で検証し、また今回の手法、過程、制作法、固定法などをHPにて公開し、大村湾全域の豊かな海の展開に役立ててもらえばと考えています。
 串川の魚道設置の準備におきまして、次の図面の通り準備を進めております。 この河川は堰に傾斜がついているため、つくば大学に傾斜角を測定していただき修正を加えたものです。

※この設置については、県北振興局河川課において、設置許可を事前に頂いています。

 

串川で魚道の実験開始!

 3月25日 長崎県東彼杵の串川に彼杵式鮎遡上傾斜板を設置しました。
 地元の方の話によると串川は昔多数の鮎が遡上し産卵していましたが、昨今は遡上が見られません。原因を調べたところ、写真の堰の段差が影響しているのではないかと思われましたので、池田団長が彼杵川で実験を行った傾斜板を串川の堰の形状に合わせて造り、設置しました。

 荒巻氏がウェットスーツを着用し、投網を使ってアユが遡上しているかを調べてくれましたが、まだ時期が早いようで姿は確認できませんでした。

 任務完了。彼杵町役場の高月様、吉永様のおかげでスムーズに事業が行われました。ありがとうございます。
 堰の高さ、水量の問題がありますので鮎が遡上してくれるかどうか引き続き調査を行います。


 設置が終了し遅くまで次回のスケジュールの打ち合わせ。次回はどじょうの放流を予定しています。

 遠くは東京からボランティア参加の有志達です。
 和田様、荒巻様、林様、中島様、池田団長、お疲れ様でした。