川辺川

 熊本県五家荘。九州脊梁を分水界とし、東に向かう水は宮崎県椎葉へ下り耳川の流れとなり、西へ流れる水は標高1662m五勇山のブナ原生林の間を流れ、樅木川となり、五家荘で名を川辺川へと変えます。
 この川辺川は、国土交通省の「BOD 値による河川の水質状況(水質が最も良好な河川)」でトップ15にランクインしています。調査開始以来過去10年間選ばれているのは、日本で唯一この川だけであり、文字通り日本一の清流です。
 この渓には、マダラと呼ばれる特別な模様を持つヤマメが存在しています。ヤマメが再生産している最後の秘境。
 どんな支流に入ってもたくさんの魚たちが竿を曲げてくれ、魚に遊んでもらうことができます。

20160703_113715_00 さて、放流したアユは海水に馴染めず死滅すると言われます。
 放流を必要とする理由は、放っておくと資源(生き物)が枯渇するからに他なりませんが、養殖した魚を放ち続けていても川は生き返りません。
 ある生き物の恒常性を損なう原因が人が作り出したものであるとすれば、単に一種の魚を放流してもうまく食物連鎖は行われません。
 もし、魚たちが自らの力で再生産ができないのであれば、それは生き物が生活できない要因があり、多くの生き物たちと共存できる方法を検討する必要があります。それは人為的な要素以外にも、自然の要因も考えられます。生産が行われた場合はそこに住む生き物が生活できることになったことの一つの証明となります。
 川は大きな自浄作用を持っています。生き物が育たない現況に対し手をつくした上、「魚」の観察を川の健康の目安として地道な努力を重ねていきたいと思っています。


 釣りをしていると、清流漁たちの健康状態がとてもわかります。
起きた問題点の対応を行うばかりでななく、将来を担う子どもたちに、「釣り」という遊びを通して、自然を丸ごと体験してもらい、予防をすることこそが、自然を蘇らせるために何より大切なことと信じています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


前の記事

遠賀川