おもしろ河川団の活動

 「おもしろ河川団」4年前は、河川団に関与される方々、当方を含めて、全ての人が「何をやろう」「どんな展開を計画しよう」という段階で、はっきりしたアイデアは、誰も浮かんでいなかったと思います。
 今回のHPの作成により、関与される全ての方々が、はっきりした目的意識を持たれて、「わたしもやってやろう」そんな展開に及んだことは間違いの無いことだと確信します。
 まずは、今回のHPを立ち上げられた(公益財団)日本釣振興会の五十嵐さんに感謝申し上げます。

 私は、担当が「水辺のキャンプとシュノーケル」をさせていただいていますので、それについての目的、方向性、今後の展開を、以下述べさせていただきます。河川団のみなさまの参考になれば幸いです。
 来春、筑波大学、白川ゼミに招かれてシュノーケリングの指導に出かけます。その際に若い学生さんや参加される方たちに向けて、私からのメッセージという形でお伝えします。

①はじめに、私が当方の息子と娘に伝えた事からスタートします。
 当方は自分の子どもたちが社会人となるまで、まともな会話はしていません。
 コミュニケーションとしての会話は、かみさんに全て任せて「家族には不自由な暮らしをさせてはならぬ」と、ただそれだけは守ってきました。
 クラス会も運動会も、子どもの行事ごとは無関心。父親はしっかり働くだけでいいと休日も自分の好きなことしかしませんでした。それに、家族につきあってもらい、得意なフィールドで遊んだりする“家族サービス”しかしていません。ちゃんとした会話は出来ず、子どもとは「生物の仲間」として接してきました。
 「学校はたまにはサボれ」と、学校を休ませ、しばしば家族全員でオートキャンプの旅に出かけていました。
 それに、こんなこともやっていました。夜、暗くなってから、頭は手ぬぐいで頬かむり、白っぽい長袖、長ズボン、長靴スタイルで、小学生の息子と夜の森へ出かけます。
 オール白のウェアはスズメバチに刺されないように、長靴はマムシに噛まれないように。
 そんな完全武装で何をしていたかというと、カブトムシやクワガタ採りです。採集したカブトムシとクワガタの為の大型木製ケースも作りました。

 娘とは、小さいときからすぐ近くの海へシュノーケリング、当時防水カメラがなかったので、使い捨てのカメラで、水中写真を撮って、サザエやトコブシを「ゲットしたぞー!」と、こんな収穫の思い出がお互い心に焼きついています。
 彼女は一時、アクアラングをやっていましたが、又一番シンプルなシュノーケリングへ戻り、オフの時はプールにはまっています。

 今息子は社会人になって、またちがった彼のスタイルで、1人、または2人で暇があれば、海や川へルアーフィッシング(これはシンプルだけど奥の深い釣り手法です。)を趣味としています。
 当方の家に帰ったときも、朝5時ごろ起きて、そのぎ川へ、チヌやスズキのルアーに出かけています。
 何も釣れなくても、それを今後の反省材料にしています。
 子どもの頃のカブトムシとクワガタが、今はルアーフィッシングに展開しています。娘はニュージーランドで働いていますが、現地の彼と、夏になればビーチへ、そしてプールに泳ぎにしょっちゅう出かけているようです。

 そんな訳で、今は二人とも職業を持った社会人になってくれて、対等な会話が出来るようになったので、子供の頃は「ただの生き物」として接してきましたが、現在は“人“としての会話を含めた付き合いができるようになりました。
 今は、お互いのフィールドの遊びの話で大人の会話が弾みます。
 おこがましいと思われるかもしれませんが、振り返ると、自分の子どもとは、一緒に楽しくフィールドで遊びながら伝える、それが私の意志の伝達の手法でしたので、同じような伝え方を皆様にもさせていただきます。
 筑波大学でのダイビングスクール、私もあなた方も「生物の一員」そう考えてください。

②シュノーケリング技術の要は3つあります。
 A-「フィンは足で動かさない。」体全体を鞭のように「イルカのように」しなやかに動かしてください。
 B-水中に入るときは「ジャックナイフ」のイメージ。はじめは水面に平行。次に頭を垂直に入れ、それと同時に、「カチっ」というイメージで足を先に向けて、また一直線に水中に向かう。それが「ジャックナイフ」です。
 C-競わない。リラックスして水中で生き物と対面すること。

③最後に、何故シュノーケリングが今の環境の変化に対するささやかな意志の伝達につながるのか、私一個人の意見としてお話します。
 彼杵小学校藤原校長先生からお聞きした、北海道の旭山動物園の園長さんのお話です。
 「たまには学校をサボって家族で思い出を共有する旅に出よう」なんて失礼なことを述べました。
 お詫びのつもりで代筆させていただきます。園長さんの言葉、「これまで人間が、人間以外の生き物の為になったものなんて何があるの、冷蔵庫、テレビ、エアコン、何もない。」そのフレーズが頭の中に入り込みました。
 いくら考えても、植林以外何もない。その言葉を私なりに咀嚼し、どう伝えていくのか、その手法が「シュノーケリング」です。
 川や海の生き物と同じ目線で、顔を合わせる。“Face to Face”です。そこから彼らの暮らしぶりに思いを馳せる。
 すると必ず「彼らの住んでいる海や川が濁ってしまったとき、彼らはどうしているのかと想像するようになります。
 そして、便利になった人間の暮らしのせいで、腹を浮かべて死んでいる魚や生き物を見ると、心がナイフでえぐられるような、そんな思いが自然と生まれてきます。
 そんな感性を、あなた方が次の世代の子ども達に伝えてくれること、社会に出て、結婚して、子どもを持っても、独身を通しても、「腹を浮かべて死んでいる魚や生き物を見ると、心がナイフでえぐられるような」感性を伝えて欲しい。
 それが川や海に関わって頂ける、白川ゼミの皆様への、あなた方へのメッセージです。

 

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